TQM活動による消毒薬採用品目の見直し効果
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概要
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TQM活動は「総合的質経営」とも言われ,問題解決・理想実現の手段として広く企業などで行われている.患者の要求に合った医療サービスを経済的に作り出すことから,医療領域でも活動が盛んである. 2006年当時,院内には消毒薬管理の中心となる部門がなく,適正な消毒薬を使用できないケースが相次いでいた.そこで,TQM活動のQCストーリーに則って,消毒薬の管理方法と採用品目を一度に整理し,問題の解決を図ることを考えた. 消毒薬の管理部門を明確にし,さらに採用品目を20%削減することを目標に設定した.その結果,消毒薬選定に関する権限がICTに設定され,責任の所在が明文化された.採用品目数が39.4%削減され,単年度で合計1,118,598円の費用削減に繋がった.手洗い石鹸の使用量が前年比185%に増加し,MRSA感染率の低下を認めた.経済効果はTQM活動後も持続し,MRSA感染率は2006~2010年で統計学的に有意な低下が見られた(p=0.0260). ICTという職場横断的な組織がTQM活動に参加することで,病院全体が抱えていた消毒に関する問題を解決し,同時に手洗いが接触感染防止に有効であることをMRSA感染率という数値で示すことができた.今後はこの取り組みを風化させることなく,消毒に関してより意識の高い職場環境を作ることが必要であると考える.
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