HIV/エイズ中核拠点病院外来看護師のHIV陽性患者への対応の不安に関する実態調査と今後の課題
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概要
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2010年9月,HIV/エイズ中核拠点病院の外来看護師60名を対象に,経験年数,所属部署,HIV/エイズ患者対応経験の有無,HIV/エイズ患者対応時の不安の有無,不安の内容などについて自由記述式質問紙調査を実施した.外来看護師60名中,58名の回答を得た(回収率96.7%).HIV/エイズ患者対応経験があると答えたのは,39名(65%)で,そのうち不安があると答えたのは,HIV/エイズ患者対応経験がある外来看護師の中で35名(89.7%).患者対応経験はない外来看護師の中で,不安があると答えたのは,16名(84.2%)であった.不安のカテゴリーは,自己への感染リスクの不安,HIV/エイズ患者への関わりに関する不安の二種類に大別できた.また,対象者をHIV/エイズ患者と日常的に関わりがある部署の看護師と日常的に関わりが少ない部署の看護師の2群間に分類し,不安カテゴリーごとに群間比較を行った.結果,自己感染へのリスクの不安は,p=0.025と有意差があり,日常的に関わりが少ない看護師ほど自己への感染リスクの不安が大きいことがわかった.HIV/エイズ患者への関わりに関する不安は,p<0.01と有意差があり,日常的にHIV/エイズ患者対応の機会が増えるほど,不安が増加することがわかった. 自己への感染リスクの不安では,日頃から感染予防策を実践し身につけることにより対応できる可能性があるが,患者への関わりに関する不安はHIV/エイズ患者看護の専門的な教育が必要と考えられる.
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