中心静脈カテーテル関連血流感染に関する 2 年間の前向き調査
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概要
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当院の2008年4月から2010年3月までの中心静脈カテーテル(CVC)挿入全症例を対象に,患者背景,穿刺場所,挿入部位,CVC種類,感染徴候の有無などを調査した.中心ライン関連血流感染(CLABSI)疑い症例は,インフェクションコントロールチームがCDCガイドラインおよび日本環境感染学会のサーベイランス委員会の定義を参考にしてCLABSIと判定した.調査対象1697件のCVC平均使用日数は11.8日,総使用日数は20030日,全CLABSIは41件(2.4%),全CLABSIRは2.05(1000カテーテル使用日)となった.CLABSIR 2.05は日本環境感染学会報告の50 Percentile値1.4より高かった.CLABSI 41件の平均使用日数21.1日は非CLABSI 1656件の平均使用日数10.5日に比較して有意に長かった(p<0.001).使用日数7日未満のCLABSI発生は5症例(12%),7日以上は36症例(88%)だった.CVCの長期使用が感染率を高くした原因と思われた.不必要なCVCの早期抜去を含めた標準的な感染対策を徹底してCLABSIの減少に努めたい.