冬季の早明浦ダム・富郷ダムにおける<I>Peridinium</I>属シストの水平分布
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では,ダム湖の親水性や景観に悪影響を及ぼす淡水赤潮の原因種となる<I>Peridinium</I>属のシストの分布の決定要因を探るために,冬季の早明浦ダム,富郷ダム及び各々の流入河川域において表層堆積物中のシスト量及び表層水の植物プランクトンの栄養細胞等を調査した。<BR>その結果,早明浦ダムでは同ダムへの流入河川である瀬戸川水域でシスト密度が高く,富郷ダムでは水位低下に伴って形成された河川の流入端でシスト密度が高かった。これは早明浦ダムでは,瀬戸川における調査時の<I>Peridinium bipes</I>の発生状況,濁度の空間分布の結果,栄養細胞からのシスト供給量がシスト分布に大きく影響していることが推察された。一方,富郷ダムでは,河川の流入端で高シスト密度であった要因として,水位低下に伴う流入河川の形成が上流域に堆積していたシストを押し流したため,シストが流入端に多く沈降,堆積したことが推察された。
著者
-
寺崎 誠
三洋テクノマリン(株)
-
寺崎 誠
三洋テクノマリン株式会社
-
水島 康一郎
三洋テクノマリン株式会社
-
笹瀬 聡之
三洋テクノマリン株式会社
-
新沢 丘
三洋テクノマリン株式会社
-
大森 明利
(前職)独立行政法人水資源機構池田総合管理所
関連論文
- 東京湾湾奥部におけるクラゲ類の季節変化〔英文〕
- 日本海におけるNeocalanus flemingeriとNeocalanus plumchrusの生活史〔英文〕
- 太平洋におけるヤムシの研究史
- 特集 学会50年の歩み (〔日本プランクトン〕学会創立50周年記念号)
- プランクトンの採集方法(プランクトンシンポジウム)
- 画像解析法による毛顎類同定の試み〔英文〕
- 大槌湾内で見られたオキアミ群集団について〔英文〕
- 西部北太平洋におけるキタヤムシの昼夜垂直移動について〔英文〕
- 冬季の早明浦ダム・富郷ダムにおけるPeridinium属シストの水平分布