hCG産生肺多形癌の一例
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概要
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症例は76歳男性.血痰を主訴に受診し画像診断にて左上葉に腫瘤を認めた.精査にて確定診断に至らなかったが,画像上急激に増大したため肺癌を強く疑い切除術を施行した.病理診断は低分化腺癌を主体とした多形癌で病期はpT2N0M0のため,UFT内服による化学療法を追加した.しかし,術後3ヵ月で縦隔再発を来たし,切除および50 Gyの放射線治療を行い,その後CBDCA+PTXによる化学療法を3クール施行した.初回手術後16ヵ月目に,上行結腸および肝臓に腫瘍を認め,結腸癌とその肝転移として結腸切除および肝生検を施行したが,肺癌の組織像に類似し,免疫染色により既往肺癌の組織共々hCG陽性であることが判明し,肺多形癌の転移再発と診断した.その3ヵ月後に胃壁の転移病巣からの出血により死亡した.hCG産生肺多形癌は稀な予後不良の疾患であり,術前診断と補助療法の確立が望まれる.
著者
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