血中サイトカインと肝細胞増殖因子の変動を検討し得たサルモネラ感染症に伴う急性腎不全の1症例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Salmonella enteritidisによる急性腸炎に併発した急性腎不全の12歳女児例を経験した。本症例は腸炎発症早期より頻回の下痢による脱水症と意識障害を認め,輸液治療により脱水症と意識障害は改善したが,腎機能低下と電解質異常が出現した。透析は必要とせず保存的治療により腎機能は改善したが,FENaや尿中β2ミクログロブリンなどの結果から腎性腎不全であったと考えられた。 本症例において腎不全発症早期に血液中の腫瘍壊死因子α (TNF-α) とインターロイキン6 (IL-6) の上昇が見られ,感染症に伴う全身性の炎症反応が急性腎不全の発症に関与した可能性が考えられた。また腎不全後の組織再生に関与する血液中の肝細胞増殖因子 (HGF) も腎不全早期に上昇していた。
著者
-
木下 英一
長崎大学 小児科
-
樋口 洋一
長崎大学 小児科
-
辻 芳郎
長崎大学 小児科
-
下條 由紀
長崎市立市民病院 小児科
-
冨増 邦夫
長崎市立市民病院 小児科
-
錦井 友美
長崎大学 小児科
-
松永 有美子
長崎大学 小児科
-
松本 正
長崎大学 小児科
関連論文
- 院内で発生したサルモネラ食中毒の臨床的・細菌学的検討
- 6.Congenital lobar emphysemaの1治験(第22回九州小児外科学会)
- 長崎県における West症候群の疫学的 ・臨床的研究 (1989〜1998年)
- 小児科からみた社会的ハイリスク因子を持つ出産 : 当院における助産(経済的)・未受診・自宅分娩について
- 血中サイトカインと肝細胞増殖因子の変動を検討し得たサルモネラ感染症に伴う急性腎不全の1症例