Ca2+シグナル異常によるPodocyte傷害メカニズム
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概要
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Ca2+はさまざまな細胞応答において重要な役割を果たしている一方で,細胞内Ca2+濃度の時間空間的な制御異常は細胞障害,細胞死を引き起こす。糸球体上皮細胞 (Podocyte) は糸球体濾過バリアとして必須の役割を担っているが,この細胞に発現するCa2+チャネルの異常により蛋白尿を生じることなどからCa2+シグナル異常がpodocyteの形態変化を引き起こすことが明らかになってきた。 AngiotensinIIはpodocyteに対して直接作用し,この細胞の生存,形態の維持に関与している。その機序としてAngiotensinII受容体刺激の下流でTRPC6を介した細胞内へのCa2+の流入と,その結果としてcalcineurin-NFAT経路の活性化が明らかになってきた。podocyteにおけるCa2+シグナルについて概説し,その修飾による蛋白尿治療の可能性について議論する。
著者
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