GC-FPDによる飼料中のエテホン分析法の開発と性能評価
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
エテホンは植物成長調整剤として多くの作物に利用されている.飼料中のエテホンの残留基準値は国内では設定されていないが,飼料に利用される作物の多くにエテホンは使用されており,飼料に残留するエテホンについて信頼性のある分析法が求められていた.そこで,国内の食品中の最低残留基準値から諸外国の飼料中の残留基準値の範囲を測定可能な分析法の確立を目的として,GC-FPDを用いた分析法の検討を行った.酢酸エチル–塩酸(100 : 1)を用いて30分間振とう抽出した後,抽出液のメチル化操作を3回繰り返して行い,ミニカラム(グラファイトカーボン,シリカゲル)で精製後GC-FPDに供し測定した.4種類の飼料を用いて単一試験室内で添加回収試験を実施した結果,回収率は78.8~89.3%であった.分析法の性能評価のため,3種類の飼料を用いて7試験室において共同試験を実施した.平均回収率は81.8~90.8%,併行および室間再現精度は相対標準偏差(RSDrおよびRSDR)として6.4%以下および11%以下,HorRat値は0.58~0.94であり分析法の妥当性が確認された.
著者
-
工藤 尚史
独立行政法人農林水産消費安全技術センター札幌センター
-
屋方 光則
独立行政法人農林水産消費安全技術センター札幌センター
-
倉光 良造
独立行政法人農林水産消費安全技術センター仙台センター
-
甲斐 茂浩
独立行政法人農林水産消費安全技術センター札幌センター
-
矢本 亮介
独立行政法人農林水産消費安全技術センター札幌センター
-
松尾 信吾
独立行政法人農林水産消費安全技術センター札幌センター