緩和ケア病棟入院中にビタミンK欠乏症により出血症状を呈した進行胃がんの1例
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概要
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症例は61歳, 男性. 胃がんの診断で胃全摘術を施行されたのち, リンパ節転移と骨転移で再発し, 両側尿管閉塞による慢性腎不全を併発したため緩和ケア病棟へ紹介されて転院となった. 遷延する尿路感染症に対して抗生剤点滴を行い改善がみられたが, その後, 食事摂取量が減少し, 血尿が出現し, さらに口腔内にも出血が認められるようになった. PT, APTTは測定不能と延長していたが, 血小板, フィブリノーゲン, FDPは正常でDICは否定された. 血清のPIVKA-IIが著明高値, ビタミンKは低値であり, ビタミンKの投与にてPT, APTT, 出血症状の改善を認めた. 本症例では, 食欲低下と抗生剤投与によりビタミンK欠乏が起こり, その結果, 出血症状が出現したと考えられる. 進行がん患者を対象とする緩和ケア領域では, 経口摂取の低下や抗生剤使用などのためビタミンKの欠乏が生じやすく, 出血症状がビタミンK欠乏症と終末期DICとの鑑別が必要な場合もあり, 注意が必要と考えられた.
著者
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関 千尋
山口宇部医療センター呼吸器内科
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上岡 博
同 内科
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片山 英樹
山口宇部医療センター 緩和ケア病棟
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樋口 洋子
山口宇部医療センター 緩和ケア病棟
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正木 修一
同 臨床検査科
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三村 雄輔
同 臨床検査科
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関 千尋
山口宇部医療センター 緩和ケア病棟
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