Mohs軟膏が著効した直腸がん術後遺残直腸断端再発出血の1例
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概要
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進行直腸がん術後の遺残直腸断端再発出血に対して, Mohs軟膏が著効した症例を経験したので報告する. 直腸がん術後に骨盤内再発の遺残直腸断端露出部から出血を認めるようになり, 頻回にパッド交換が必要な状態であった. 対症療法は無効で, 抗がん剤や放射線による治療を拒否していたため, 局所治療としてMohs軟膏による止血を施行した. 処置前にはCTにより周囲組織との位置関係を評価し, 遺残直腸断端に露出した部分は小さく少量の使用で済む点や, 人工肛門のため直腸は使用しない点などから, Mohs軟膏使用の安全性は十分確保できると考えた. 処置時は, 軟膏をガーゼに塗り込むことにより正常部位への流出を予防した. 直腸内にはワセリンガーゼを充填し, 正常直腸粘膜への影響を最小限にするように工夫した. 処置後, 腫瘍部分は白色に固定され止血された. Mohs軟膏の使用工夫により, 深部の再発腫瘍に対しても出血や滲出液のコントロールに有効な場合がある.
著者
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