初回化学療法中に異所性ACTH症候群を発症した小細胞肺癌の1例
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概要
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背景.小細胞肺癌において,異所性ACTH症候群(ectopic ACTH syndrome;EAS)を発症することがある.報告の大多数は初発症状として,もしくは再発時に発症するものであり,有効な化学療法施行中の発症は非常に稀とされる.今回我々は,初回化学療法開始後に腫瘍の著明な縮小を認めていたにも関わらず,急激にEASを発症した小細胞肺癌の1例を経験した.症例.74歳男性.胸部異常影のため当院紹介受診し,精査にて小細胞肺癌(cT4N3M0 stage IIIB)と診断した.carboplatin+etoposideによる化学療法を施行し腫瘍は著明に縮小した.化学療法開始2週間後,全身浮腫,低K血症が出現し急激な増悪を認めた.胸腹部CTで胸腹水の貯留,皮下浮腫,両側副腎の腫大を認めた.原発巣および縦隔リンパ節は治療前と比較し明らかに縮小していた.内分泌学的検査にてEASと診断した.その後,肺炎を合併され永眠された.死後のリンパ節生検にて免疫組織学的に小細胞肺癌によるACTH産生を確認した.結論.化学療法により腫瘍の縮小が得られていたとしても急激にEASを発症する場合があり,小細胞肺癌の化学療法を施行する際には常に注意が必要である.
著者
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池田 聡之
西宮市立中央病院
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齋藤 宜之
西宮市立中央病院呼吸器センター
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二重 隆史
西宮市立中央病院内科
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福島 清春
西宮市立中央病院内科
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鶴田 直敏
西宮市立中央病院内科
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二重 隆史
西宮市立中央病院呼吸器内科
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福島 清春
西宮市立中央病院呼吸器内科
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上浪 健
西宮市立中央病院呼吸器内科
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