ズルファニール尿素剤投与時の糖尿病者インシュリン分泌動態の研究
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概要
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Sulfonylurea剤の糖尿病者に及ぼす作用及び治療効果について検討するため, tolbutamide (2.09) 及び最近開発されたglibenclamide (5mg) を糖尿病者に経口投与を行ない, その時の血糖IRI, NE-FA, GHを測定した.その結果従来のtolbutamideとglibenclamideの間には, その作用の強弱によると考えられる血糖降下の程度の差異を認めたが, 質的な差は認めなかつた.<BR>Glibenclamide又はtolbutamideを経口投与し, 60分後に50gGTT (それぞれG-GTT, T-GTTと略す) を行ない, ブドウ糖負荷30分後のinsulinogen icindex (I.Iと略す) を計算すると, G-GTT時では正常者, 軽症糖尿病者群でそれぞれ単独GTT時のそれと比較して増加した.中等症糖尿病者群でもG-GTT時でI.Iの増加する傾向がみられた.T-GTTでは正常者群でのみI.Iの増加がみられた.これらのI.Iの増加は, ブドウ糖負荷前にglibenclamide及びtolbutamideを前投与することにより, ブドウ糖負荷時の膵からのinsulinの放出ないし分泌が充進されたと解され, 言いかえれば, それらの薬剤の前投与が, 膵β-細胞のブドウ糖に対する感受性を増したものと考えられる、<BR>これらの事よりSu剤特に91ibenclamideの食前投与は糖尿病治療に適すると推測される.
- 日本内分泌学会の論文