5.ビタミンD
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1) 活性型ビタミンD欠乏症として副甲状腺機能低下症をとりあげ, その補完療法につき自験例の成績をまとめて報告した。<BR>2) 現在用いられている活性型ビタミンDの合成アナログである1α-OH-D<SUB>3</SUB>は, 本症の血清カルシウムを, これまで用いられてきたビタミンD<SUB>2</SUB>の約1000分の1, DHTの約100分の1の量で正常に保つことができた。<BR>3) 特発性および術後性副甲状腺機能低下症11例の1α-OH-D<SUB>3</SUB>の維持量は, 1日2ないし6μg, 平均4.0±1.26μgであるのに対し, 偽性副甲状腺機能低下症5例はすべて2μgであった。<BR>4) 治療開始当初, 1α-OH-D<SUB>3</SUB> 1日20ないし21μgという大量を投与すると, 5ないし10日間で血清カルシウムは速やかに正常化し, ただちに維持量の検討が可能になった.<BR>5) 生理的な最終活性型ビタミンDである1α, 25- (OH) <SUB>2</SUB>-D<SUB>3</SUB>は, 本症の血清カルシウムに対し1α-OH-D<SUB>3</SUB>よりさらに少量で有効のように思われ, 本症の補完療法の将未に期待を抱かせる。
- 一般社団法人 日本内分泌学会の論文