指導医としての省察的実践
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概要
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要 旨 指導医とは十分な臨床経験, 指導力と共に「学び続ける」能力を有する者とされている. ドナルド・A・ショーン氏の考えにより指導医の育成にも「省察しながら成長し続ける」という省察的実践の能力が大事であると考えられるようになった. 指導医は毎日の臨床教育活動から常に自らの指導にフィードバックを受け続けており (=行為の中の省察), さらに事後に仲間やメンターと対話することによる言語化 (=行為に基づく省察) の機会を設け, 「今後指導をどうしていくべきか」というNext stepに落とし込むこと (=行為のための省察) が大切である. これら省察には(1)行為の中の省察のみの限界, (2)対話の相手, (3)上下関係による省察の阻害, という障壁となりやすいポイントもあるが, これらを乗り越え, 省察的実践家たることで, 常に省察して問いかけながら活動し, 省察内容を教育に活かす「成長し続ける指導医」となっていく.