株化頭頚部腫瘍細胞のapoptosis発現における形態学的変化

概要

論文の詳細を見る
株化頭頚部腫瘍細胞(KB,KBrc,HSC-2,3,4)におけるapoptosisの発現の観察をおこなった。現在血液系腫瘍細胞をはじめ各種腫瘍細胞におこるapoptosisの誘導の検討がなされているが, 頭頚部腫瘍細胞のapoptosisという細胞死の形態についての検討はない。今回, 頭頚部腫瘍におけるアポトーシスの発現の程度を観察するため, apoptosisを誘導することが可能な抗Fas抗体をinvitroで投与することによりその形態学的変化の観察を試みた。各種頭頚部腫瘍細胞に抗Fas抗体10-1000ng/mlを投与し24時間作用させると, HSC-2細胞を除き濃度依存的に腫瘍細胞の表面の変性や核の断列が倒立顕微鏡, 光学および電子顕微鏡的に観察された。また, 細胞生存率も濃度に依存して低下した。さらに, interferon-gamma(100u/ml)で前処置すると抗Fas抗体による効果が増強され, 頭頚部腫瘍細胞のapoptosisの発現の可能性が示唆された。
Kinki Brain Tumor Pathology Conferenceの論文