運動療法と和温療法の併用が有効であった血行再建術困難なPADの1症例
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概要
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PAD患者に対して運動療法と和温療法の継続はいずれも血流改善と血管新生を促すとされている.今回われわれは血行再建術困難なFontaine-IV度の足趾潰瘍症例に両者の治療を併用し軽快を認めた症例を経験した.64歳男性で,右下肢間欠性跛行を主訴として紹介された.2010年8月右浅大腿動脈閉塞に対するPPIを施行し閉塞動脈の再灌流に成功し退院となるも,2011年3月右第1趾先端潰瘍形成を認め再度入院となった.入院時右ABIは0.44であり,右浅大腿動脈は再閉塞していた.血行再建術不能と判断され,保存療法を行った.PGE1 10 μgの投与を約2週間行い,また運動療法および和温療法を約10カ月間併用施行した.10カ月後には右ABIは,0.44から0.80に改善し,また最大歩行距離は入院時250 mから1000 m以上に改善した.SPPはdorsal/plantar(mmHg)で入院時9/14から29/24へ経時的な改善を認め,右第1趾潰瘍は150病日には完治し得た.SPPが低値であっても,運動療法と和温療法の併用にて創傷治癒が促進される可能性が考えられた.
著者
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堀田 祐紀
心臓血管センター金沢循環器病院循環器内科
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小村 幸則
心臓血管センター金沢循環器病院リハビリテーション部
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萩原 和洋
心臓血管センター金沢循環器病院リハビリテーション部
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藤井 崇史
心臓血管センター金沢循環器病院リハビリテーション部
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太田 恵子
心臓血管センター金沢循環器病院リハビリテーション部
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坂 真砂子
心臓血管センター金沢循環器病院看護部
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舟橋 博美
心臓血管センター金沢循環器病院看護部
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寺井 英伸
心臓血管センター金沢循環器病院循環器内科
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名村 正伸
心臓血管センター金沢循環器病院循環器内科