下肢創傷を有する重症患者の栄養管理
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概要
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生体に大きな侵襲(外傷,手術,感染症など)が加わると,局所反応が起こるが,それに加えて,侵襲の種類に依存しない共通の非特異的な全身反応が生じる.栄養治療も,栄養補給のみを目指すのではなく,過剰なサイトカインの反応を抑制する方向で行うべきである.従来は,重症患者には,代謝が亢進すると考えられ,比較的多くの栄養量の補給が行われてきた.しかしながら,重症患者では通常と思われる量が,過剰投与になり,逆に合併症が起こりやすくなることも理解すべきである.また,重症患者では経腸からの栄養補給が有用であるにもかかわらず,血行動態が不安定で,消化管の蠕動運動の低下などの機能障害もみられ,経腸栄養剤を安全に投与することが難しいことも少なくない.また栄養補給によるその他の合併症も多いことより,重症患者における経腸栄養は決して容易ではない.この様な患者では,病態の理解とともに高度な栄養管理の技術も必要である.
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