創傷治癒促進のための栄養管理-栄養評価法と必要栄養素量-
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概要
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糖尿病や慢性腎臓病患者の増加や高齢化により,糖尿病性神経障害や閉塞性動脈硬化症などの動脈硬化症に伴う末梢血管障害に加え,低栄養や感染症などを合併し,足病変を含む下肢の創傷を有する患者が増加している.栄養療法は創傷治癒促進のための基本的治療である.動脈硬化性疾患に対する栄養管理は,糖尿病や慢性腎臓病,脂質異常症,メタボリックシンドロームなどの危険因子に対し管理することと患者の栄養状態を維持または改善することである.栄養評価は,臨床診査,身体計測,食事摂取量,血液検査成績などからなるが,そのまえに,主観的包括的評価(SGA)を用いて栄養スクリーニングを行わなければならない.下肢創傷をもつ患者の多くが栄養障害をもつため,総合的な栄養評価が重要である.