高速映画撮影用特殊X線管
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概要
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高速映画撮影法は、血行動態像や朦器の運動状態,例えば弁疾患に齢ける血流の動態や心筋硬塞後の心室壁の変化,あるいは左心室容積の観察,また,近年確実に増加しつつある冠状動脈疾患の本態究明にもなぐてはならない手法である,このような動態像の診断能を飛躍的に進歩させたものには,まずヨウ化セシウムを蒸着した入力螢光面を有する高解像IIと35mmフィルムの組合せがある,CsEによる高解像IIの解像能は静止時フィルム面30-35lp/mmと従来のII(ZnCdS入力螢光面)より大巾に良くなり,被写体によっては300μm前後の血管像の識別が可能となった.一方X線管の陽極熱容量については200,000HUが使われていたが,とくに,冠状動脈撮影においては連続繰返し負荷が多く,またカテーテルの差し換え,技術の向上,Cアーム,Uアーム透視撮影台の出現により,撮影間の休止時間も短縮傾向にあるため,X線管の陽極温度上昇による焦点荒れの促進,ひいては管内ガス発生によるX線管の耐電圧不良も生じた.そこで,我々はこれ等の要求に対して画質向上と熱容量の増大を目的としだ三極格子制御形高速映画撮影用特殊X線管の試作研究を行なったので報告する.
- Medical Imaging and Information Sciencesの論文