冠動脈造影で同定困難な慢性完全閉塞LADの末梢側をMDCTにて確認し得,OPCAB施行に至った一透析症例
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概要
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透析中血圧低下に伴う意識消失発作を認める61歳の5年来の透析患者において,冠動脈造影検査にて左前下行枝の慢性閉塞性病変と右冠動脈の90%狭窄の2枝病変を認めた.左室駆出率は30%と低下していたが心筋シンチでは左前下行枝(LAD)領域にviabilityを認め,心エコーで壁厚の菲薄化もなく虚血性心筋症と判断し,冠動脈バイパス術の適応と考えた.しかし冠動脈造影検査(CAG)にてLAD末梢側が描出されず,バイパス対象血管が把握できなかったため多検出器列ヘリカル断層撮影(MDCT)を施行.これによりLADの良好なrun offを確認することができ,オフポンプバイパス術(OPCAB)を実施し良好な結果を得た.
著者
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飯田 淳
公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院心臓センター心臓血管外科
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佐地 嘉章
公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院心臓センター心臓血管外科
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植山 浩二
公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院心臓センター心臓血管外科