肝におけるインスリン効果とくに早期効果に関する実験的研究 (第3報)
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概要
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人の過インスリン (以下「イ」と略) 血症を伴う糖尿病の成因追求の為に臨床像がよく似た先天的肥満・高血糖マウス (C57BL/6J-ob) を選び内臓全列肝残存標本を作成し, グルコース (550mg/kg/hr) 又は「イ」 (1.5又3.ou/kg/hr) を門脈より注入し, 肝酵素律速酵素活性を測定した.糖新生系酵素活性/解糖系酵素活性比の分析から「イ」はglucoseとglucose-6-phosphateの問の代謝の方向 “転換” に直接効果を及ぼすものと推論される.肥満・高血糖マウスではその「イ」効果が非肥満健常マウスに比して極めて減弱しており, これが糖尿病状態の発症に重大な意義をもつと思われる.
- 日本内分泌学会の論文