排卵現象にみられるFSHの動態に関する研究
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概要
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新しい排卵物質Clomid, F6066の出現により排卵誘発法も一段と進展したといえる.著者は排卵現象を中心にFSHの動態を観察した.<BR>成熟雌ラットの生理的変動をみると性周期に応じて下垂体中, 血中で変動していることをみとめた.また, 思春期前後の下垂体FSHは腟開口の10日前頃に最高であつた.妊娠継続とともに下垂体FSHは増加し, 銅塩で発現する偽妊娠の初期の動きと類似していた.<BR>銅塩排卵現象をみるとラット, 家兎いづれも投与後短時間のうちに下垂体, 血中でかなり著明にFSHは変動することがわかつた.<BR>Clomid, F6066にはFSH作用はなく, 長時間投与で下垂体のFSHは減少することがわかつた.<BR>下垂体incubation実験で銅塩, Clomid, 植物抽出物はFSH活性を高めるが, F6066にはなかつた.これらのことから, FSHは排卵現象を中心にLH程ではないがかなり変動することが判明し, 重要な役割をすると考えられる.