ACTHの非活性化に関する研究:第一編正常人血漿中におけるACTHの非活性化およびACTHの構造と人血漿中における安定性に関する研究
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概要
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ACTHの生体内における代謝を解明する第一段階として生物学的測定法を用いて, in vitroで正常人血中におけるACTHの非活性化およびACTHの構造と血中での安定性の問題を検討した.ACTHは新鮮血漿中では比較的安定であつたが凍結保存した血漿中やstreptokinaseを添加した血漿中では速やかに非活性化された.さらにアミノ酸連鎖の短い合成ACTHは新鮮血漿中でも比較的速やかに非活性化され, かつアミノ酸連鎖が短くなればなるほど非活性化は速やかであつた.しかしアミノ酸数は同じであつても, 天然ACTHとは異なつたアミノ酸配列を有する合成ACTHは非活性化されにくい事実も観察されたので, 単にアミノ酸連鎖の長さのみならずACTHの構造も安定性に関係があるものと考えられる.
- 一般社団法人 日本内分泌学会の論文