副腎皮質及ひ髄質分泌の相関について
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概要
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生体に侵襲が加つた場合,生体には防衛あるいは適応反応が起る,その際一般に交感神経-副腎髄質系,あるいは下垂体-副腎皮質系は分泌元進の反応を起すと考えられている.<SUP>1)2)3)</SUP>しかし多くの研究は,それらの一方のみを観察したものであり,両調節系の相互関係は必ずしも明らかではない.<BR>副腎皮質と髄質の相関に関しては,かつてLongら<SUP>4)</SUP>はadrenalineがACTH分泌の生理的なmediatorであるとの見解を発表したが,最近Wurfman, Axelrod<SUP>5)</SUP>はむしろそれと逆の関係になる,髄質内adrenaline合成が下垂体-副腎皮質系の調節を受けているとの,両者の関連性についての興味ある報告を行なつている.<BR>本報告では,副腎静脈にカニューレを留置した犬を用い,種々なneurohumor (acetylcholine, adrenaline(A), noladrenaline(NA))や各種ホルモン(ACTH, insulin, gucagon)投与の場合,種々のstress(低圧,低酸素,窒息,出血,手術等)の場合,あるいは中枢特に大脳辺縁系を電気刺激した場合の副腎皮質及び髄質分泌を同時に観察し,両者の相互関係を検討した.