寒冷曝露によるラット血中TSHレベルの変動
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概要
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ラットを種々の程度の寒冷に曝露し血中TSHレベルの変動を時間的に追求した.<BR>ラットを15℃の寒冷に曝露した場合には,曝露後30分で血中TSHレベルは最高に達し, その後速やかに下降し, 6時間後には曝露以前の値に戻つた.8℃の寒冷に曝露した場合も, 血中TSHの急激な上昇がみられ, 曝露後30分で最高に達し, その後速やかに下降し6時間後の値は寒冷曝露前の値にくらべ, 軽度に高いレベルにとどまつた.更にこの値は8週間後まで維持された.0℃の寒冷に曝露した場合でも, 血中TSH値は, 30分後において最高値を示したが, その後のTSH値の下降は8℃, 15℃の場合にくらべて緩徐であつた.8℃の寒冷に曝露したラットの下垂体前葉TSH含量は, 曝露後6時間ですでに低下し, 24時間後には曝露以前の37.7%にまで減少した.<BR>終りに臨み, 御指導, 御校閲を賜わりました恩師伊藤真次教授に衷心より感謝の意を表します.
- 一般社団法人 日本内分泌学会の論文