Crop-testにおける組織内脂肪分析による下垂体性ProlactinとProlactin様物質の鑑別
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概要
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ハトの右瞭嚢腺の直上皮内に試料を注射し, 他方をControlとして, 夫々の組織内の高級脂肪酸をGaschromatograPhyにより分析, 定量した所, 次の如き結果を得た. (鳩への投与法は4回分注局所皮内法によつた.) <BR>1) 下垂体性Prolactinを投与した際は, 暖嚢腺単位湿重量当りの脂肪酸重量 (中性脂肪に換算) は, 注射したProlactinの対数に比例して増加し, 次の関係式を得た<BR>.y=15.6logx十13.7 (mg/g) <BR>x : 注射したProlactin (i.u.) <BR>y : (PL投与側の瞭嚢腺1g中の脂肪量) - (Control側の暖嚢腺1g中の脂肪量).<BR>2) この際の高級脂肪酸分劃は, Olein酸, Lino1酸の特徴的な増加を見せた.左右の分劃を比較して, r-Oleic acid/r-Stearic acid÷1-Oleic acid/1-Stearic acid≡O一比<BR>r.Linolic acid/r-steaic acid÷1-Limolic acid/1-Stearic acid≡L-S比を算出すると, 夫々1.4~2.0の値をとつた.<BR>3) 以上の2つの現象は下垂体性Prolactinに特異的で, 他のGonadotropin, 胎盤抽出物, 授乳婦人尿抽出物, 授乳婦人血漿は, たとえ嘆嚢腺の肉眼的肥厚を見せた場合でも, 全くこの現象を呈さなかつた.<BR>即ち, 従来組織学的方法以外に手段の無かつたProlactinと, Prolactin様物質との鑑別が, 本法に依つて可能となつたと同時に, 下垂体性Prolactinの特異性の高い定量が行わなれた.
- 一般社団法人 日本内分泌学会の論文