Cushing氏症候群の一例
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概要
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近年副腎皮質ホルモンに関する研究の急速な進歩により, 今日一般にCushing氏症候群は副腎皮質機能充進症の一型で, 主として糖質代謝コルチコイドの分泌過剰によるものとみなされるに至つたが, 本症候群は, 1932年Cushingにより始めてPituitarybasophilismの名のもとに報告1)された特異な臨床像であり・爾来欧米に於ては多数の同様症例の報告2)がなされて来た.<BR>本邦に於けるCushing氏症候群の報告は, 昭和12年黒岩3)の報告以来決して僅少ではないが, 手術或は剖検によりその病因を追求した者は少ない.之等の中, 副腎皮質腺腫を確認されたものは井林の2例4), 大塚他5), 管原他7), 石原他7), 米村他8)及び金沢他9) の7症例に過ぎない.<BR>著者等は最近典型的なCushing氏症候群を呈し, 術前既にその病因として, 副腎皮質腺腫を推定して観血手術を行い, 術後順調な経過を辿り治癒したと思われるものの臨床経過を詳細に観察し, 且つ腫瘍摘出後の病理組織学的所見より副腎皮質腺腫を確認した1例を経験したので, こくに報告し考察の一資料に供したい.
- 日本内分泌学会の論文
著者
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操 忠
岐阜県立医科大学第二内科学教室
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藤井 学
岐阜県立医科大学第二内科学教室
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西村 敏夫
岐阜県立医科大学第二内科学教室
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稲垣 昌雄
岐阜県立医科大学第二内科学教室
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前川 修
岐阜県立医科大学第二内科学教室
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小寺 豊
岐阜県立医科大学第二内科学教室
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野田 ふさ子
岐阜県立医科大学第二内科学教室
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戸谷 恵美
岐阜県立医科大学第二内科学教室
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永井 俊夫
岐阜県立医科大学第二内科学教室
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細川 禎正
岐阜県立医科大学第二内科学教室
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渡辺 克
泌尿器科学教室