クマザサ熱水抽出物によるヒトサイトメガロウイルスの抑制効果の解析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ヒトサイトメガロウイルス (human cytomegalovirus: HCMV) の治療薬として,現在ガンシクロビル (GCV) とホスカルネット (PFA) が使用されているが,易感染性宿主の HCMV 感染症には,抗 HCMV 薬の長期投与が必要なため,薬物耐性 HCMV の出現が問題となっており,作用機序の異なる新たな治療薬の開発が求められている. 現在我々は,代替医療薬を中心に抗 HCMV 薬の探索を行っている.今回は,防腐作用や殺菌作用などがあることが知られているクマザサを用い,その抽出物に,抗 HCMV 効果があるか否かについて検討した.クマザサ抽出液をウイルス感染細胞に添加したところ,濃度依存的にウイルスの細胞変性効果が抑制され,ウイルス粒子産生にも抑制がみられた.また,リアルタイム RT-PCR 法および,ウエスタンブロット法による解析の結果,クマザサ抽出液によりウイルスの複製,増殖に重要な Major immediate early (IE) 遺伝子の発現に抑制がみられたことから,クマザサ抽出液は GCV とは異なる作用機序により抗 HCMV 効果をもつ可能性が示された.
著者
-
定成 秀貴
北陸大学薬学部
-
阿久澤 和彦
北陸大学薬学部生体防御薬学教室
-
畢 長暁
北陸大学薬学部生体防御薬学教室
-
松原 京子
北陸大学薬学部生体防御薬学教室
-
村山 次哉
北陸大学薬学部生体防御薬学教室
-
山田 理恵
北陸大学薬学部
-
李 専
北陸大学薬学部生体防御薬学教室
-
定成 秀貴
北陸大学薬学部生体防御薬学教室
関連論文
- 新規抗癌剤Bis(haloalkyl)piperidine誘導体のDeoxyribonucleic Acidにおよぼす影響
- クマザサ含有成分によるヒトサイトメガロウイルスの増殖抑制効果
- クマザサ熱水抽出物によるヒトサイトメガロウイルスの抑制効果の解析
- P1-592 6年制薬学部における症例主導型臨床体験学習の試み(一般演題 ポスター発表,薬学教育(その他),臨床から学び臨床へと還元する医療薬学)
- 抗菌薬併用におけるpostantibiotic effectの基礎的検討 : Staphylococcus aureus FDA209Pへのペニシリンとゲンタマイシン併用の場合
- ケニア産植物抽出物"pristimerin"による抗サイトメガロウイルス作用
- ヒトサイトメガロウイルスとその感染症
- P-1275 薬学部における人体模型を用いた解剖実習の試み(一般演題 ポスター発表,薬学教育(その他),Enjoy Pharmacists' Lifestyles)
- クマザサ熱水抽出物によるヒトサイトメガロウイルスの抑制効果の解析