水の酸化を伴う光合成によるエネルギー変換機構
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概要
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植物やラン藻の光合成電子伝達系による太陽光エネルギーの化学エネルギーへの変換、および、それに伴う水の酸化は非常に効率的であり、これらの機構を分子レベルで理解することは、昨今、深刻な問題となっている環境とエネルギー問題の解決を考える上で非常に重要である。しかし、分子レベルでの光合成機構に関しては、未だ不明な点が多く、特に、電子伝達系の電子を取り出すための水の酸化反応、および、電子伝達に関わるコファクターの酸化還元電位と周辺の分子構造との関係については未だ不明な点が多い。本総説では、特に、光合成によるエネルギー変換の初発反応を担う光化学系IIに焦点をあて、現在までに明らかにされてきた水の酸化機構および光合成電子伝達について解説し、更に、光化学系IIを利用したエネルギー創製へ向けた応用研究について紹介する。