エアロゾルにより輸送された放射性核種の観測 (2011)
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概要
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物質循環のトレーサーとしての地球科学的知見を得ると同時に地域住民の不安感の払拭にも貢献するため,人工放射性核種の観測・定量手法を検討し,福島第一原子力発電所事故後のエアロゾル観測を行い,2011年3月末から12月までの観測データを検討した. 鉱石等の標準線源試料を用いて検出効率を求め,カスケード崩壊するCs-134の定量にはCs-134 / Cs-137比の変化からサム効果の補正法を確立した.3月末のエアロゾル観測開始時から検出された種々の人工放射性核種は,Cs-134とCs-137を除いて6月末にはほとんどが検出限界以下となった.観測期間中の放射性核種の濃度は,いずれも健康を害するレベルではなかった.観測の時間分解能が低いことや事故後の時間が経過していたことから,エアロゾル中のCs-137濃度に対する気象の影響は不明瞭ながらも,サンプリング期間中の雨量や風向が影響している傾向が認められた.
著者
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