成長期の頭蓋冠の扁平骨の立体超微形態学的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
頭蓋冠を構成している扁平骨の成長期における付加的な骨基質形成を検索する目的で, 幼若なWistar系ラットの頭頂骨の内外表層基質の立体超微形態を, 高分解能の走査電子顕微鏡を用いて観察した.頭頂骨の外表層基質は密な未石灰化の束状と網状のコラーゲン細線維で形成されていた.コラーゲン細線維は直径が約700Åで横紋構造が認められた.頭頂骨の内表面の中央部表層基質は外表面と同様に束状と網状のコラーゲン細線維で形成されていたが, 周辺部の大部分は吸収されており, 吸収面にはきわめて多数の不定形の吸収窩が認められた.吸収窩底には破骨細胞により断裂されたコラーゲン細線維が認められ, コラーゲン細線維には多量の穎粒状構造物が付着していた.また, 均質な穎粒構造を呈している吸収窩底も認められた.頭頂骨の内外面には, 中央部から周辺部にかけて放射状に多数の.血管腔が開口しており, 血管腔壁は密で網状のコラーゲン細線維で形成されていた.内外面の辺縁部には骨小窩が数多く認められるとともに, 骨基質の表層は網状で未石灰化のコラーゲン細線維で形成されていた.頭頂骨の中央部の割断面では最表層から約0.5μmの深さまでは未石灰化のコラーゲン細線維で, コラーゲン細線維層から約0.7μmの深層は穎粒状構造物が付着したコラーゲン細線維で, さらに深層は直径が約400Åの石灰化穎粒による均質な穎粒層で形成されていた.
著者
関連論文
- キシリトールと乳酸カルシウム含井ガムがエナメル質表層の再石灰化に及ぼす影響について
- 日本人胸椎椎弓根の形態的計測
- X線分析による硬組織のカルシウム及びリンのX線発生領域の最小化について
- 頭蓋の咀嚼圧緩衝帯の力学的微細形態
- 緻密骨層板の線維性基質の立体微細構築に関する研究
- マグネシウム欠乏飼料を摂取したラット切歯の鉱質分布
- マグネシウム欠乏飼料を摂取したラットの切歯エナメル質の影響
- 先天性鼻咽腔閉鎖不全症の病因と病態に関する研究
- 頭蓋および顔面骨の形態計測学的研究
- 血管柄付遊離腓骨皮弁の臨床解剖学的研究 : 第1報 腓骨動静脈および腓骨について
- 顎骨の基質線維とハバース系の構築構造学的研究
- 顎骨の層板と線維性基質の力学的微細構築に関する研究
- 下顎骨層板の線維性基質の力学的構築に関する微細形態学的研究
- 下顎骨咀嚼筋付着部の緻密骨の線維性基質と海綿骨の骨小柱の力学的構築に関する微細形態学的研究
- 頚部の血管系の臨床解剖学的検討
- 上顎領域の骨基質線維の構築に関する研究
- 歯周組織再生過程に関する組織学的, 骨組織定量学的解析
- 魚類の咽頭骨における軟骨様骨細胞の立体超微形態学的研究
- 成長期の頭蓋冠の扁平骨の立体超微形態学的研究
- 形成期歯槽縁における軟骨様骨細胞の立体超微形態学的研究
- 皮質骨の表層基質の増齢に伴う立体超微形態学的変化について
- 石灰化軟骨基質の立体超微形態と石灰化度の研究