腸管慢性炎症性腸疾患におけるTreg, Th17, Th17/Th1, Th1 細胞の産生誘導,競合性,可塑性に関する総括的検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
潰瘍性大腸炎およびクローン病に代表される炎症性腸疾患は,近年までCD4+ Tリンパ球における‘Th1/Th2サイトカインバランス'仮説に基づいて疾患が考えられてきた.近年,炎症を抑制する能力を持つ制御性T細胞,Th17細胞集団が登場し,最近ではIBDやIBDモデルを含むさまざまなヒト免疫疾患および動物モデルにおいて制御性T細胞の異常やTh17細胞の増加こそが真の病因ではないかと議論が広まっている.これまで,T細胞は最終的なeffector細胞になるとほかの細胞には変化しないとされていたが,T細胞間でも環境により表現型が変わることがわかり可塑性(Plasticity)という概念が構築されつつある.腸内細菌を含めた周辺の環境によりT細胞が誘導され,それぞれT細胞同士も周囲の環境によりPhenotypeを変えていることが判明しつつある.このような状況の中,炎症性腸疾患の原因が一つの因子でなく,多因子であり,T細胞の関与も複雑であることが判明してきている.これまで得られた結果をもとに炎症性腸疾患におけるT細胞の病態への関与についてT細胞の分化を踏まえて検討する.
著者
関連論文
- クローン病における生物学的製剤,分子標的薬開発ラッシュの現況 (特集 炎症性腸疾患--最新知見) -- (クローン病)
- IL-17AによるTh1細胞の抑制とその意義 (特集 Th17細胞の機能をめぐって)
- 炎症性腸疾患の病態の解明と最新の疫学 (特集 大腸疾患 : 最新の診断と治療アップデート) -- (大腸の炎症)
- 腸管慢性炎症性腸疾患におけるTreg, Th17, Th17/Th1, Th1 細胞の産生誘導,競合性,可塑性に関する総括的検討
- 上部消化管出血(非静脈瘤性出血)に対する内視鏡的止血のコツ : 困難例の対処方法
- A case of entercolitis with diffuse multiple aphthoid lesions in which non-caseous granulomas were demonstrated microscopically.
- 腸管慢性炎症性腸疾患におけるTreg, Th17, Th17/Th1, Th1細胞の産生誘導, 競合性, 可塑性に関する総括的検討