室内試験におけるクロチアニジンのドウガネブイブイAnomala cuprea (Hope)(Coleoptera: Scarabaeidae)に対する作用特性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ネオニコチノイド系殺虫剤の一種であるクロチアニジンについてドウガネブイブイAnomala cuprea (Hope)に対する作用特性を検討した.土壌中のクロチアニジンのドウガネブイブイ幼虫に対する殺虫効果,食害抑制効果,発育抑制効果および行動抑制効果を室内試験にて検討した.ドウガネブイブイ幼虫に対する殺虫効果は齢期により大きく変動し,LC50は1齢幼虫で0.0075 mg a.i./kg soil,2齢幼虫で0.21 mg a.i./kg soilであった.3齢幼虫に対する殺虫効果はさらに低下した.しかし,クロチアニジンを0.10 mg a.i./kg soilの濃度で3齢幼虫に施用した場合,殺虫効果は認められないものの,食害抑制効果と発育抑制効果が認められた.また,クロチアニジンを0.50 mg a.i./kg soilの濃度で含む土壌は3齢幼虫の行動を抑制することが明らかとなった.これらの結果は,クロチアニジンを用いた本種防除法を構築する上での基礎的知見になると考えられた.