顔面頬部位立体形状の加齢変化
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概要
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消費者に対する定性的なデプスインタビュー調査を行い,「キメの細かさ」という表現に代表される「肌のなめらかさ」が,女性の求める「理想的に美しい肌」に必要な要素である可能性を見出した。そこでさらにわれわれは「肌のなめらかさ」の実態を明らかにするために,消費者に対する定量的アンケート調査と,皮膚表面形状の測定を行った。その結果,「キメ細かい肌」という言葉に代表される「肌のなめらかさ」という感覚は,皮溝・皮丘などの微視的レベルの皮膚表面構造を意識して生じるのではなく,毛穴などの目視可能レベルな皮膚構造を意識して生じることが明らかとなった。また,「肌のなめらかさ」は特に目の下および鼻横で囲まれる領域(前頬)で意識されることが示された。さらにこの領域の皮膚表面立体形状は年齢とともに,毛穴の拡大などに由来する単純な凹凸量の増加だけではなく,皮膚表面全体が山脈状構造に変化することが明らかとなった。われわれはこの皮膚表面立体形状の変化を「加齢にともなう皮膚のシオレ現象」ととらえた。この変化は「肌がなめらかに見えるかどうか」という感覚に大きな影響を及ぼしていると考えられる。
著者
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水越 興治
ポーラ化成工業(株)研究所
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松本 克夫
ポーラ化成工業(株)研究所
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及川 みどり
ポーラ化成工業株式会社 品質研究部 肌分析研究室
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及川 みどり
ポーラ化成工業
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水越 興治
ポーラ化成工業株式会社 品質研究部 肌分析研究室