化学情報はどうなるか
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概要
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化学論文の増加は最近,ことに著しく,これをケミカル・アブストクラト(CA)の抄録数によって見ると,63年に総数300万件であったのが本年は500万件を越し,1980年には1,000万件になるという.また年間数も終戦前後には5万以下であったのが,現在30万近くとなり,10年後には70万件に達するであろう.これに対してはCAの電算化の企画がすでに発足し,日本にそのローカル・センターを設置することが問題となっている.本展望は今後増加する化学情報にどのように対処するべきか,またその専門分野の研究に関する情報伝達を任務とする学会の未来像を予測したものであって,まず論文の審査や広い総説の記述が研究者の個人プレーでは不可能となることから“Information Analysis Center”の設置が,またデータの集積を機械化した“Data Center”の設立がぜひ必要であることを述べ,さらに近い将来において学会の論文誌もむしろ抄録誌に近い形に変化するであろうとの予想を述べた.