X線小角散乱法による高分子溶液の研究
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概要
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Debyeによって始められた光散乱の高分子溶液への応用は分子量の大きさの決定などできわめて有力な方法となり,今やその研究に欠かせぬものとなった.しかし溶液中の高分子の微細な形態まで知ろうとするとこの方法も決して十分でなく他の研究方法を必要とする.波長のきわめて短いX線小角散乱を用いるとこの欠点を補うことが可能であり,Kirsteの立体規則性PMMAの研究はこのことをよく示している.わが国でも安定したX線装置の開発とともに高分子溶液のX線小角散乱による研究がしだいに注目されるようになってきた.これから標題の研究の概要を述べるが,筆者はもともと鎖状高分子溶液の光散乱の実験に携わっていたので,その発展としてX線小角散乱をとらえたがために,興味ある文献が限られ,その点この総説を書くのに適当でない.特に読者がいちばん興味深いと思われる生体高分子関係での文献の見落しが多いと思う.その点読者の寛容を得たいと思うとともにご指摘いただければ幸である.
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