無定形構造と熱的性質
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概要
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高分子の無定形ガラスは従来構造が均一で,その性質も再現性があるものとみなされてきた。しかし,実際には無定形ガラスの構造や性質は,種々の因子からの影響を受けて変化する。最近,形態観察からも無定形ガラスに構造変化が起こることがわかってきた。また,ガラスの熱履歴を厳密に規定すると,ガラス構造の変化が熱的性質の違いなどから観測できることが明らかとなった。<BR>この総説は,ガラス構造についての形態学的研究について述べるとともに,ガラス状態に変化を及ぼす分子量,分子量分布,立体規則性,水素結合などの影響を主として熱的方法によって調べた結果,および,ガラス状態の違いがマクロな機械的性質に与える影響についての研究の結果をまとめたものである。
- 社団法人 高分子学会の論文