二軸延伸における構造形成
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概要
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アイソタクチックポリプロピレンの二軸延伸による配向と構造変化について述べた.配向様式は二軸延伸様式および条件により違い,同時二軸延伸では延伸倍率の増大とともに球晶が同心的にブロックに破壊し,ブロックよりはフィブリルが引出され,二次元的網状構造体になる(Type I).逐次二軸延紳では一段目延伸で球晶が破壊しラメラ結晶の積重ね構造をとり,二段目延伸を自由幅で行なうとこのラメラが回転し,ほぼ45° の位置でフィルムの性質がバランスする(Type II).しかし二段目延伸温度が一段目延伸温度より20℃ほど高かったり,または固定編で延伸すると分子軸が0°と90°とに配向し,延伸倍率の増大とともに0° 配向より90° 配向に量的に変化する.これをラメラの回転よりも主としてラメラのunfoldingにより二段目延伸方向に繊維構造ができるためと解釈し,若干の根拠を示した.
- 社団法人 高分子学会の論文