合成高分子触媒による低分子アミド化合物の加水分解
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概要
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天然の酵素はわれわれの生活に大きく貢献していることは古くから知られている。この酵素の働きは酵素化学から現在生化学の分野へと発展してきた。しかし有機質触媒と考えられる酵素の数はたいへん多く,それがエステル,アミド,エーテル(アセタール),脱炭素などの特定な反応をどういう過程を通って進むかを明らかにするのはたいへんむずかしい。そこで10年ぐらい前から,特別な官能基をもつポリマーを合成して,酵素の触媒能と比べようとする研究が始まった。エステルの分野に対する合成ポリマーの触媒作用は数多く紹介されているが,アミドについては見あたらない。本稿ではアミド基切断における酵素触媒の概念をもとにして,合成ポリマーの触媒機構に対する展望を試みる。