赤外線吸収スペクトルによるポリ塩化ビニルの分子構造の研究
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概要
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ポリ塩化ビニルの615,638,690,603cm<SUP>-1</SUP>の4本の吸収は,C-C1伸縮振動に帰属される。簡単な分子について得られた規則性からの類推と種々の条件の赤外線吸収の測定結果により,690cmqの吸収は炭素鎖の曲った形によるものであり,638,603cm<SUP>-1</SUP>は結晶状態にある炭素鎖の伸びた形によるものであり,615cm<SUP>-1</SUP>は主として非結晶状態にある伸びた形によるものである。この帰属の結果を用いることにより,赤外線吸収の測定結果からポリ塩化ビニルの炭素鎖の伸びた部分と曲った部分との存在比,さらにシンジオタクチック,アイソタクチック構造についての知識が得られる。