HLA-ヒト組織適合抗原
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概要
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1958年, Daussetは何回も輸血を受けたことのある人の血清中に, 他人の白血球を凝集する抗体が含まれていることを見いだした. この抗体で検出された白血球膜抗原は約60%の白人に存在し, 後にヒト組織適合抗原 (HLA) のひとつであることがわかった. 現在では, 組織適合抗原は細胞表面に存在する多様な膜タンパク質の中でも, 最も詳細に研究されているものといえる. 遺伝学, 免疫学, 生化学など各種の手段によって行なわれてきた広範な研究は, 組織適合抗原の免疫反応における役割の解明はもとより, 膜タンパク質の構造と機能を理解する上でも多くの重要な知見をもたらしている. また, その過程で数々の優れた生体膜研究技術が開発されてきた. 本稿では, このHLA抗原の生化学, 特に膜タンパク質としての構造を中心に扱う.
- 日本膜学会の論文
著者
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武富 保
信州大学医学部加齢適応研究センター・加齢生化学
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上村 敬一
信州大・医・加齢適応研・加齢生化学
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上村 敬一
信州大学医学部付属順応医学研究施設生化学部門
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武富 保
信州大学医学部付属順応医学研究施設生化学部門
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