高分子材料に対する水の拡散と透過
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概要
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高分子材料に対する水の輸送現象は, 高分子材料をバリヤーとして使用するときも, 機能性材料, すなわち選択透過膜等に使用するときも重要である. 水一高分子系の輸送現象は, 無極性低分子一高分子系の輸送現象と共通する部分と相違する部分とにわかれる. 共通部分として, 二重収着理論を基礎とする拡散機構, 可塑剤効果等がある. 相違する部分としては, 拡散係数の濃度依存性, 吸着水のクラスター化等があり, それらを実験的に示した.つぎに高分子構造との関係を示し, 水分子は基本的には疎な構造である非晶部分に, 収着, 拡散, 透過することが知られているが, 実験結果には, これを支持するものと, 支持しないものがある. 温度特性, 高静水圧による変化は自由容積の増減で説明できるが, これも定性的領域を出ているわけではない.
- 日本膜学会の論文