ポリプロピレンオキサイドラバー
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
プロピレンオキサイドゴムといえば,主鎖にエーテル結合をもつ合成ゴムで,耐寒,耐熱,耐オゾン,高弾性,低発熱性などの特長をもった新しい型の特殊ゴムだと,この方面に従事されている方は誰もが一度は耳にしているものだろう。古川らにより見出された高重合触媒をもとにして,アメリカで商業化を目的として開発され, Dynagen XP-139 という商品名で一時試供品として出回り,今にも企業化まで行くように思われたが,現在では少し停滞気味にあるように見える。最近同じ型のエピクロルヒドリンゴムが商品化されて開発されつつあり,興味がもたれてきている。ここであらためてプロピレンオキサイドゴムについて紹介するのであるが,筆者らは加工物性に重点を置き,製造条件を検討しつつ,このゴムの物性を種々検討したところ,いままで見出しえなかった興味ある事実や,商品化するための新しい目標,用途,改良点などがしだいにわかりつつある。たとえばポリマー中の結晶性の有無による物性への影響,無水ケイ酸充テン剤の特異効果,パーオキサイドによる加硫といったいままであまり見ない結果も含め, 既知の文献との重複をさけつつ紹介し, このゴムの将来性,問題点にもふれて,このゴムのいっそうの発展を期待したい。