縮合系高分子の合成反応
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
重縮合反応による高分子合成の歴史は古い。スタウディンガーが高分子化合物の概念をつくりあげた後,間もなく縮合反応のくり返し,すなわち重縮合反応により高分子化合物が合成された。その後,反応に関する理論的考察も進み,また工業的にも大きな位置を占めてきた。その後,モノマーの合成,新しい高分子の合成に関してはともかく,重縮合反応そのものについての考察は一時そのあゆみをゆるめていたかにみえる。このような現在,重縮合反応あるいは重付加反応による高分子合成を,あらためて別の面から見直す必要があるように思われる。本稿では,重縮合あるいは重付加反応を,ある極限に近い状態に持ち込んだ場合,さらに,その反応系がおかれた状態を中心にしてながめようと試みた。紙面の都合ですべてをいいつくしたわけではないので,折があれば,またこのような考えをさらに進めてみたいと思う。
- 社団法人 高分子学会の論文