高分子溶液の機械的変性
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概要
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ずり応力による高分子化合物の機械的変性の問題は,絹のたくみな紡糸機構のメカニズムにも関連し,興味があります.絹フィブロインについては,すでに,詳細な論文,総説などがあるので簡単にふれ,本稿においては,主として合成高分子化合物について紹介する.ポリオレフィン系,ポリビニル系ポリマーについては,溶液および溶融状態からのずり応力による配向結晶化の問題について概説する.ポリエチレンなどのように折たたみ結晶しやすいポリマーの場合のずり応力下の結晶化物は,分子鎖の折たたみと分子鎖ののびた構造のどちらが優先するのか,まだ,はっきりした結論には至っていない.また,ポリビニルアルコールのずり応力下の結晶化は,分子鎖中に,結晶化に関与するような立体規則性部分が,大きく影響しているとみられている.ポリペプチド系ポリマーについては,水溶性ポリマーについて,やや詳しく記述する.すなわち,水溶液中で,α-helix構造を有するポリ-L-グルタミン酸,ポリ-L-チロシン,ポリ-L-リジンなどについて,ずり応力を加えた場合に,α→β転移を生じ,凝固析出してくるメカニズムについて記した.
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