東西結合医学における慢性関節リウマチに対する漢方治療の効用について
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概要
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我々の施設における, 慢性関節リウマチ (RA) に対する治療状況と漢方治療の有効性について調査検討を行った。96名のRA患者に対し, 八綱・気・血・水弁証に基づき漢方薬を投与した。漢方のみ投与された者の割合は約30%で, 他の者には非ステロイド系消炎剤 (NSAID), 副腎皮質ステロイド剤, 遅効性抗リウマチ薬 (DMARD) を単独あるいは複数で投与した。治療開始後3ヵ月後に, 痛み・腫脹・疲れに関する自覚症状の程度と, 血沈値・CRP・RFなどの臨床検査値について調査を行った。自覚症状はアンケート調査を行い, 回答が得られた50名に関しては何れの項目にも改善傾向がみられた。臨床検査値は一部をのぞいて有意差が認められなかった。漢方処方は, 越婢加朮湯, 麻杏〓甘湯, 桂枝加朮附湯などの〓湿解表剤が多く用いられた。漢方治療は, 短期的にみた場合, 消炎効果よりも自覚症状の改善という意味において有効であると考えられた。
著者
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金 充哲
兵庫県立尼崎病院東洋医学科
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松本 克彦
兵庫県立尼崎病院
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松川 義純
兵庫県立尼崎病院 東洋医学科
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長瀬 千秋
兵庫県立尼崎病院
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新井 善正
兵庫県立尼崎病院内科東洋医学科
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松本 克彦
兵庫県立尼崎病院内科東洋医学科
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長瀬 千秋
兵庫県立尼崎病院内科東洋医学科
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松川 義純
兵庫県立尼崎病院内科東洋医学科
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金 充哲
兵庫県立尼崎病院内科東洋医学科
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