五苓散の通陽化気・利水作用の解析 : とくに血管内皮細胞賦活作用と尿中6ヶトプロスタグランジンF1α排泄量増加作用の関与について
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概要
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五苓散の循環・代謝・利尿作用に及ぼす調整作用を, 胆石症ないし胆嚢ポリープのために胆嚢摘除術を受けた58例の女性患者について, 血中ナトリウム濃度, 末梢血中の血小板数および尿中6ヶトプロスタグランジンF1α排泄量の周術期の推移を分析することによって研究した。五苓散の服用によって, プロスタグランジンI2産生の増加, それによる循環と代謝の刺激および一部は腎血管拡張による利尿作用の増進が示すように, 血管内皮細胞は活性化されると考えられた。尿中の6ヶトプロスタグラジンF1αは, 血中のプロスタグラソジンI2の代謝産物であり, また腎髄質の間質細胞や腎集合管上皮細胞によって分泌され, 抗利尿ホルモンを抑制することによって利尿作用を調整すると考えられた。上記の現象は五苓散の代りに小柴胡湯を服用させたときには認められなかった。
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