アレルギー性鼻炎に対する人参湯の治験
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概要
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近来, 漢方薬治療もエキス剤の普及と, その健保への適用は, 治療に従事する医師, 薬剤師にとって, また, 患者にとっても大変喜ばしいことと思う。しかしその反面, 我々は古くから漢方の特質であるといわれる, 患者の生活環境, 飲食, 体質等を重視することを忘れ, つい病名治療に走る傾向にあるように思われる。今回, そのことを改めて考えさせられる症例があったので報告する。<BR>従来アレルギー性鼻炎の漢方治療では小青龍湯が比較的多く使われているようだが, それだけでは他の西洋医学的治療と比べ, あまり有効とはいえないようである。今回は脾胃に問題があるアレルギー性鼻炎の患者に, その脾胃の陰陽, 虚実, 寒熱, 燥湿等を考慮し, 人参湯を投与して著効を示したので, 漢方病理的な考察を含め報告し, また現在行なわれている, いわゆる漢方の病名治療に一石を投じることを本文の本質的な特徴としたい。
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社団法人 日本東洋医学会 | 論文
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