細菌細胞に見られる spirosome の局在と機能に関する研究 : 特に嫌気的糖代謝と spirosome 産生との関連性について
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概要
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Peptostreptococcus productus, Clostridium sp. HD-17, Lactobacillus fermentum, Eubacterium aerofaciens, Escherichia coli の5菌種を用い, 1) spirosome 蛋白の局在に関する検討, 2) 培地のグルコース濃度と spirosome 産生量の関係, 3) ピルビン酸またはフルクトースを炭素源 (エネルギー源) とした培地による spirosome の産生等につきSDS-PAGEおよび電子顕微鏡による検討を行い, 以下の結果を得た。1) 無処理の正常な菌体では, spirosome 蛋白は菌体破砕液の遠心上清中に検出され, 細胞壁-細胞膜分画には存在しなかったのに対し, 0.05∼1% SDS処理菌では細胞壁-細胞膜分画に検出された。さらにその分画を Triton X-100で処理すると spirosome 蛋白がその分画より消失した。この場合 Triton X-100は spirosome 自体に影響を与えないことが確認され, 上記の結果からspirosome 蛋白は菌体外部からのSDS処理によって細胞膜に結合したと考えられた。このことは spirosome が細胞膜近くに存在していることを示唆している。2) spirosome は偏性嫌気性菌や耐気性嫌気性菌においても, 通性嫌気性菌と同じくグルコースを代謝する際に産生され, 菌種にかかわらず嫌気的糖代謝に伴って誘導される蛋白であることが示された。3)E. coli ではフルクトースを代謝する場合も spirosome が産生されるが, ピルビン酸を炭素源 (エネルギー源) とした場合には spirosome の産生は見られなかった。
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