腸炎ビブリオ細胞外アミラーゼ合成のcatabolite repression
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)のマルトース代謝欠損(Mal-)変異株の一部は,細胞外アミラーゼの誘導時活性がきわめて高いアミラーゼ過誘導性(Amy+h)変異株になることが確認された。本変異株の特性を利用し,アミラーゼ合成の調節,ことにcatabolite repressionの機構を検討するための標準実験系を設定した。マルトトリオースを誘導因子とする標準条件下で培養したAmy+h Mal-変異株3122株のアミラーゼ合成は,用いた14種の炭素・エネルギー源(CE源)により種々の程度に抑制され,合成のdifferential rate (DR)と増殖速度定数μとの間には全体として高い負の相関(r=-0.71)が見いだされた。Cyclic adenosine 3, 5-monophosphate (cAMP)の添加は,多くの場合アミラーゼ合成を促進したが,その程度はCE源ごとに著しく相違した。cAMP添加の効果はグリセリンをCE源としたときにもつとも明白に認められ,添加時DRの最大値は非添加時の約8倍にも達した。cAMP効果の発現は,マンノース,グルコース,ガラクトース,ピルビン酸,グルコン酸等をCE源としたときには種々の程度に妨げられ,これらの条件下ではアミラーゼ合成の抑制に関与する因子がcAMP以外にも存在する可能性が示唆された。
- 日本細菌学会の論文
著者
関連論文
- APP-113 環境中より分離した大腸菌ファージの形態と遺伝子解析(総会賞応募(ポスター))
- APP-112 バクテリオファージのマウス体内動態の検討(総会賞応募(ポスター))
- 環境中より分離された大腸菌ファージの検討
- 尿路感染症に対するバクテリオファージ療法
- 尿路感染症に対するバクテリオファージ療法の開発
- C-124 ビブリオファージKVP40の増殖におけるNaCl依存性(バイオフィルム、生理・増殖,ポスター発表)
- 単純ヘルペスウイルス1型, 2型のバーキットリンパ腫由来細胞株における増殖性
- ビブリオファージKVP40と大腸菌ファージT4におけるビリオンタンパク質の相同性
- 腸炎ビブリオ細胞外アミラ-ゼ合成のcatabolite repression
- 各種ブドウ球菌の乳糖代謝系
- Lactobacillus casei1菌株のphosphoenolpyruvate--sugar phosphotransferase system
- 腸炎ビブリオ細胞外アミラーゼ産生に及ぼすペプトンの抑制効果
- 各種ブドウ球菌の乳糖代謝系
- 腸炎ビブリオ細胞外アミラーゼ合成のcatabolite repression
- Lactobacillus casei一菌株のphosphoenolpyruvate: sugar phosphotransferase system
- Lactobacillus属菌のphosphoenolpyruvate : hexose phosphotransferase system
- Lactobacillus属菌のための改良テトラゾリウム寒天培地
- Enterococcus faecalisのphosphoenolpyruvate:carbohydrate phosphotransferase system (PTS)
- :Correlation to growth rates
- タイトル無し